自然素材を空間に上手に取り入れる方法とは!?メリット・デメリットもご紹介!
- 2 日前
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無機質な空間はなんか嫌。自然素材を取り入れて生き生きとした空間にしたい!
そんな方のために今回は自然素材を上手に空間に落し込む方法や取り入れ方、メリット・デメリットなどを材料別にご紹介していきます。

1.そもそも自然素材とは
2. 材料別の種類と各メリット・デメリット
3. まとめ
1.そもそも自然素材とは?
“自然素材”という言葉を耳にした事がある方も多いのではないでしょうか。
地肌に触れる衣料品や化粧品、日々口にする食料品や飲料水、そして建築建材など、わたしたちの生活になくてはならない『衣食住』に関わるものには“自然素材”“オーガニック”など自然由来の素材をうたった商品がよくお店に並んでいます。
では、自然由来の素材の何がどうなのか。
その全てに共通しているのが“体に優しい“という効能です。
古来から私たちの身のまわりに存在してきたものはほとんどが天然物から作り出したもの。
それがここ数十年~百数十年の間で産業革命をはじめ時代の移り変わりとともに様々なものが造り出され、全てのものがアナログからデジタルへと世の中が変化してきました。
そしてテクノロジーの進化によって機能的で安心安全かつ人々の暮らしを脅かさない様な基準を設けて便利で快適な暮らし実現するためにありとあらゆるものが先進企業によって開発・製造されてきました。
樹脂や金属などの加工・製造技術も高まり、そのお陰で私たちの今の暮らしがより便利なものになっています。
ですが安くて機能的であれば良いのでしょうか?
例えば住宅での使用されている新建材には木・樹脂・石膏・セメントなどが使用されています。壁紙の裏には全面に接着剤が塗られ、高断熱高気密な住宅にするために分厚いガラスや厚石膏壁で密閉し、息のしにくい空間になってしまっているのではないか。そう感じてなりません。
古来の日本住宅には木製フローリング材が張られ、壁には土壁を塗り、屋根は茅葺きで、自然のものを使うからこそ風通しが良く快適で居心地のよい空間を生み出してきました。
わたしたち人間も自然の一部であり、暮らしのなかでは切っても切り離せられないものなのです。
2. 材料別の種類と各メリット・デメリット
次に材料別の種類やそれぞれのメリット・デメリットをご紹介していきます。
どんなものを使えば良いかわからない方は是非チェックしてみてください。
1. 左官材(塗り壁)

まずご紹介するのが左官材です。(=塗り壁とも呼ばれています)
日本家屋の壁には昔から聚楽壁や漆喰壁・土壁などが用いられてきました。
その原料のほとんどは土に藁や砂・スサや紙を混ぜて水で調合して造られ、植物などの100%天然のものを利用して造られたスーパー材料です。
最近では珪藻と呼ばれるプランクトンを主原料とした『珪藻土』や、火山噴火物のシラスを利用してつくられた『シラス壁』、マヨネーズ工場から排出される卵殻を利用して造られるカルシウムたっぷりの『エッグウォール』など、天然物を利用した様々な塗り材も開発・製造されています。
耐火性や保温性もさることながら、なんと言っても調湿性があることが最大のメリットです。
デメリットとしては扱いが難しく、職人さんや塗り方によって仕上がりが左右される点です。また施工日数がかかる点、費用の増額は予め想定しておくことが必要です。
2. 無垢木材

次はみなさんの一番身近にある木材について紹介します。
ひとことで木と言っても様々な種類がありますが、ここで紹介するのは無垢木材です。
『無垢木材』の定義としては、天然木を丸太から切り出したまま、接着剤や人工的な加工をほとんど施さずに使用する木材のこと。
自然のままの木の風合いや質感、肌触りが楽しめ、調湿効果や香りといった自然素材ならではの性質を活かせるのが特徴です。
直接肌に触れる床材や壁面材に活用するとより肌感で木の温もりを感じることができます。
一方で、反りやひび割れが起きやすい、傷がつきやすい、価格が高めであるといったデメリットもあります。
3. い草・ケナフ

い草というと一番に思い浮かぶもの。そう、畳です。
日本人であれば必ず触れたことがあるのではないでしょうか。
い草の種類も実は300種類にも及ぶとされており、世界各地でも存在しています。
その歴史は古く、はじまりは縄文時代に埋葬する際の包み材として利用されていたみたいです。その後は奈良時代に世界最古となる畳が作り出され、寝床のうえに敷かれて使用されていたのだとか。
その後、様々な形や在り方を経て現在の畳が生まれました。
植物をそのままの形で暮らしに取り入れた先人たちの知恵がそこには詰まっています。
調湿性はさることながら断熱性やクッション性、空気清浄効果など多様なメリットばかりです。湿度の高い日本の気候に合った最高の材料と言えます。
デメリットとしては管理状況が悪いとダニの繁殖元になったり、衛生面では水拭きや洗浄ができない点などがあげられます。
ただ、草の香りにはリラックス効果もあり、適切な管理方法を行えば暮らしを豊かにしてくれることでしょう。
4. 和紙

和紙は日本に古くから伝わる伝統的な製法で作られた紙のことで、楮(コウゾ)三椏(ミツマタ)雁皮(ガンピ)などの植物の繊維を原料に作られています。
また洋紙とは製法も違い、「手漉き(てすき)」と呼ばれる伝統的な技法で、一枚ずつ手作業で丁寧に仕上げられ、耐久性もさることながら繊維と繊維との間にわずかな隙間ができることで温かみのある表情へと生まれ変わります。
そのためランプシェードや襖障子など、灯かり取りに適した素材と言えるでしょう。
最近では壁紙にこの和紙を用いた製品も出ているので、壁面材としても利用されています。
和紙のもつ独特な風合いが好きな方は是非手に取ってみてください。
5. 陶器や粘土

縄文時代より人間の手によって作られてきた土器。
変遷とともにその形や用途も変化してきましたが、現代でも至る所に用いられています。
また粘土の産地や焼き方によっても様々な種類があり、中でも日本の代表格として有名なのが有田焼、美濃焼、瀬戸焼とよばれる「日本三大陶器」になります。
食器はもちろん、花瓶やお皿などでは定番です。
耐水性があり、木との相性も抜群に良く、見た目も高級感があります。
何より耐久性や保温性が高く浴槽窯やシンクには最適です。
ただ、ひとつひとつ職人さんの手作業での製作のため生産性が弱く物価高騰のため、現代では生産性の高い特殊樹脂製のものが主流になっています。
ほかには、土を焼いているため割れやすい点が挙げられますが、それ以上に土の風合いがもつテクスチャーや、焼き加減によってひとつとして同じものはない唯一無二の仕上がりとなり、手に触れた時の温かみも感じられることでしょう。
メンテナンスは必須ですが、シンクや壁面タイルに陶器をもってくることであなただけの特別な空間になること間違いなしです。
3. まとめ
いかがだったでしょうか。
自然物を決して無駄にせず先人達が考え抜いて編み出された実用的且つ美しい表情の自然素材。
暮らしに取り入れるだけでわたしたちの生活をより豊かにしてくれるはずです。
ご興味のある方、自然派の方は要チェックです。
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