私たちの日々の暮らしの軸となる住居スペースは快適で心落ち着かせられる空間であって欲しい、皆がそう思っているはずです。
今回はお家を居心地の良い空間にするためのインテリア術と合わせて植物を活用した『バイオフィリックデザイン』を取り入れた3つのポイントを心理学を交えて解説していきます。
自然を取り入れた空間にご興味がある方や心身共に不調を感じている方は必見です。
お酒落な空間にしたいけどどうしたら良いのか分からない。
そもそものインテリアやグリーンの配置等に知識がない。
なんだか部屋が暗く落ち着かない。
そんな悩みをお持ちではありませんか?
それはお部屋の中の配置のせいかもしれません。
1.『バイオフィリックデザイン』とは
2. インテリア空間術のレシピ
3. 注意点とポイント
1.『バイオフィリックデザイン』とは
心と体を整える自然に寄り添ったデザイン
まずこの言葉を耳にしたことが無い方がほとんどかと思いますが、そもそもの言葉の由来としては『バイオフィリア』という言葉からきています。
これは何かというと、1973年にドイツの社会心理学者”エーリッヒフロム”が仮設たて、後の1984年に生物学的多様性問題にも大きく寄与したアメリカの昆虫学者”エドワード・オズボーン・ウィルソン博士”によって提唱された『人間には遺伝子的に"自然とつながりたい"という本能的な心理欲求がある』という概念のこと。
『バイオ』 =生命・生き物・自然、『フィリア』=愛好・趣味、の意味からきている。
例えば自然のある海や川で涼み、山でキャンプや焚き火を楽しみ、動物と共に暮らしたり植物を育てる行為自体がそれに起因しているという考え方です。
対価や時間・労力を払ってまで自然を感じる体験を好んでしたり、自然色を選びがちな理由もそこにあります。
そして自然との深い関わりを持つことで、心理学的にも様々な改善効果が実証されています。
そして弊社では心理学にも基づいた”バイオフィリックデザイン=「人間の本能的に自然と結びつきたい」という欲求を満たす要素を建築物に落し込んだデザイン手法”を採用し、空間に自然物を取り入れる空間提案を行っています。
そうすることで、身体的にリラックス効果をもたらして血圧を下げたり、ストレスを和らげたり、免疫機能の向上などが期待され、上質な暮らしと共に、心穏やかな健康な日常を手に入れることができます。
2. インテリア空間術のレシピ
次にインテリアレシピをご紹介していきます。
植物(グリーン)の取り入れ方も様々なので、お部屋とお住まいの環境に合わせて考えてみるとよいでしょう。
レシピ No.01
インテリアとして配置する
まずはシンプルにインテリアとしてグリーンを配置する方法です
リビングであればソファ横やテレビ台横に配置すると空間に上手く溶け込んでくれます。
サイズは家具の高さと合わせるとバランス良く、見栄えもGoodです。
あとはお陽様の良く届く窓際に配置すると元気よく育ってくれて、ブラインド替わりにもなりますので一石二鳥です。
空間に余裕のないお部屋の場合や初めてチャレンジしてみる方は、比較的育てやすい小さな観葉植物でも大丈夫です。飾り棚やテーブルにスモールプランツを置いてあげるだけでも柔らかい空間になり、視覚的にも安らぎを得られ、リラックス効果を感じることができます。
サンスベリアやポトスであればお手入れも簡単で空気清浄の効果が高くオススメです!
レシピ No.02
空間のゾーニングにグリーンを使う
よくLDKやお部屋の空間がごちゃついて綺麗に見せたいというご相談を頂きます。
空間をお酒落に見せるポイントとして、空間のゾーニングと配置・配色の統一感です。
例えばリビングダイニングとキッチンとの間に植物を持ってくるだけで、空間をやんわりと仕切ることが出来て、視覚的にも彩が出て爽やかな印象になります。
壁紙や家具・お好みのテイストによって植物の種類や色見をチョイスするとまとまりのあるお部屋にすることができます。
レシピ No.03
自然素材の内装材を使う
植物は飾るだけではなく実は身近にある様々な材料としても多く使われています。木製の椅子や机であれば、ナラ材や桜・松等と言った原木を加工して作られています。
古来から日本では木の有産地として有名で、他の国と比べてより自然と共存してきた自然大国です。
また壁に塗る左官材としても珪藻土や漆喰など、植物を原料とした材料が今も変わらず使われています。
どれだけ機能的で新しい材料が開発されても、調湿性や抗ウイルス性などは自然素材のものには敵いません。
またカビや雑菌の繁殖を抑え、保湿性・断熱性にも優れたスーパー材料であり、アレルギーの低減も試験的に実証されています。
なので、家具や床材など肌に触れる部分は無垢床材を選び、内装材には自然素材を持ってくる。
そうすることでただの箱の空間にならず、床壁などの面材や家具など物質レベルで空間そのものが呼吸をするので、自然との繋がりをより肌で感じることのできる空間になります。
3. 注意点とポイント
ここまで簡単な取り入れ方をご紹介してきましたが、次に注意点とポイントを解説していきます。
◎グリーンの配置に立体感を持たせる
ただ床に置くだけでは単調な空間になってしまうので、植木鉢の下に土台を置いて少し高さに変化をつけてあげたり、ハンギングプランツを天井やパイプなどに掛けたフックからぶら下げて上部空間も上手く活用することで、空間により立体感が生まれ、奥行を感じることができます。
また家具との高さにも合わせることで違和感ない配置になります。例えば、ローチェストやチェアー周りは比較的低めのグリーンを、逆に高さのある本棚や腰窓周りには高さのあるグリーンを持ってくることで、家具に馴染んで空間とのバランスも良いです。
植木鉢にも大きさや形状など沢山の種類があるので、植物とお好みの色柄に合わせて組合わせるのも楽しめる要素のひとつです。
◎植物の種類によって配置を分ける
一言で植物と言っても種類も多種多様で、たとえ同じ種類の植物であっても幹の太さや葉っぱの大きさ、色や表情が異なります。またお日様に強い子もいれば、日陰を好む子もいますので適した育成環境での配置が好ましいです。
シマノトリコやパキラなどであれば耐寒性や耐暑性も強く、日光を浴びても平気な植物ですので、窓際においてあげると元気に育ってくれますし、ブラインド替わりにもなります。
逆に直射日光が苦手であったり耐陰性の強いポトスやシェフレラなどの植物は、トイレやキッチン周りなどの年中通して日陰になっているところに配置するとよいでしょう。
◎日々のお手入れは必ず行う
自然物はたとえ言葉が喋れなくてもわたしたち人間と同じ生き物です。
植物であれば、毎日お水をしっかりあげて定期的に栄養分の補充をしながら、葉っぱが茂ってくると風通し良くするために葉っぱを剪定してあげましょう。
植物以外であっても、無垢床材であれば蜜蝋ワックスを塗り、木製のテーブルにはオイル
メンテを行い、レザー製品であれば汚れをふき取り保湿剤を塗布する。
そのひと手間を怠らず、お手入れをすることが大切です。
そうすることで元気で綺麗なまま、わたしたちの暮らしを彩ってくれます。
4. まとめ
ストレス社会の昨今ではデジタル機器の普及でスマホやパソコンをはじめ、自動車やビルなどの人工物に囲まれた生活が当たり前になっています。
そういった暮らしの中で、自然を身近に感じることのできる空間は、心を落ち着かせ、体も本来の状態に治癒してくれる、そんな効果を持たらせてくれます。
なんだか体調が優れなかったり、気持ちが晴れないと感じる方は今すぐにでも実践してみてください。
そして心身ともにストレスの無い理想の暮らしを手にしてみてください。
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